広島県の企業誘致助成制度が全国で初めて「家族」も対象にした理由は、単身赴任がさみしすぎるから
広島県は,県外から本社機能を移転・分散させるデジタル系の企業等に対して、ヒトとモノに対する「初期コスト」を、1社につき最大1億円を助成します。
2021年2月末までは、最大2億円に上限を引き上げています。よかったら、特設ページをご覧ください。
ここで声を大にしてお知らせしたいことは、広島県の企業誘致制度が、ヒトの誘致にも積極的で,人間味が溢れている!という事実です。
家族を対象にしたのは広島県が初。このたび社長も!
初期コストやランニングコストについては、特設ページをご覧いただくとして、ヒトを対象にした支援メニューがこちらです。
(1)移住する代表者に最大1000万円
(2)移住する社員1人あたり200万円
(3)移住する代表者や社員の家族1人あたり200万円
(4)新規採用する社員1人あたり100万円
2020年10月から2021年2月末までの期間限定で、1人当たりの助成額を100万円から200万円に倍増しました。
また、社長や社長の家族,新規採用社員も支援対象に加えました。
例えば,社員が家族6人を連れて移住すると,1400万円です。
(注:企業に対しての支援です。各個人に交付するわけではありません)
家族を対象にしたのは2016年から、全国初の取り組みです。
前例がないからには、始めるときに何か特別な理由があったのではないか、気になります。
なぜ家族も対象に? センパイに聞いてみた
廊下を挟んで向こう側のフロアに、家族を対象にした制度を設計したセンパイ職員がいるので、企業誘致担当のやまき、聞きに行きました。
やまき(以下、や) 企業誘致の助成制度、なんで家族を対象にしたんですか?
センパイ(以下、セ) え、、、急ね。
や はい。
セ 家族も一緒に広島に来てほしいな~と思って。
や まあ、そうですよね。
(・・・いや、もうちょっと深掘りしとこう。)
や 急に思いついたわけじゃないですよね?
セ まあね、どうやったら企業の拠点が広島に来るんか、一人でいくら考えても何も浮かばんかったんよ。
や はい。
セ それで、まずは県内企業に聞いてまわった。
や どうでした?
セ みんな、広島が大好きだった。
や うれしい!
セ うれしかった! 「食べ物もおいしいし、街と田舎が近いのがいい。釣りができる」って。
や え、でも県の職員が聞いたから、リップサービスなんじゃ・・・
セ いや、「ほんまにいいとこじゃ~」って、よそから転勤してきた人も奥から出てきて言いよっちゃったんよ。
や へぇ、うれしいですね。
セ そうなんよ。それで転勤者に聞くのがええわと思って,いろんなところで聞きよったらね、ヒントがもらえたんよ。
や おお、ついに!?
セ ついに!!
や それで?
ヤ 「広島県、ものすごくいいところなんですけど、人は明るいし、食べものも最高だし、自然もあっていいところなんですけど」って。
や それでそれで?
セ 「家族と一緒だったら、どんなに楽しいところか」「酒どころ・西条の酒を楽しく飲んで帰ったらね、さみしいんですよ」「帰りたいな~、単身赴任は嫌だな~と、一人暮らしの部屋に帰るとしんみりするんです…」って。
セ それでピンと来たんよ。
や 家族が一緒に移住しやすくなる制度があればいい!
セ そう。それでね、さっそく県庁に持ち帰って、従業員の異動と同じ額で、移住する家族の人数も企業への支援対象にする提案をしたらね、「そりゃ、ええわ!」とみんなが言うてくれちゃってから、それで制度ができたんよ。
や 反対意見は?
セ なし。
や まさかのゼロ?
セ そう。ゼロ。上司もその上司も財政担当も知事も議会も、家族を対象にすることについて反対意見はなかったんよ。
や すごくないですか?
セ すごいよね。
以上,単身赴任のサラリーマンによる「さみしい」の一言がきっかけで全国初の制度ができた、という話でした。
その後、移住したい社員が経営者を説得し、広島県内にオフィスを移転・分散したケースが実際にいくつかありました。
理想の暮らしを手に入れ、仕事で能力を発揮している方々の様子は、とてもまぶしく見えます。
この記事は 広島県 県内投資促進課 が書きました。
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