広島県に「会社ごと移住」を果たしたサイボウズの水戸さんとオンライン初対面にして意気投合しました
広島県で企業誘致を担当しているやまきです。
サイボウズ㈱ 広島オフィス 組織運営チーム・水戸さんにお話を聞きました。
いきなり「オフィス不要論」からスタート
やまき(以下、や) 水戸さんは、ご実家のある広島県に移住することを希望して、広島オフィス設立を会社に提案したと伺っています。コロナ後だったら、広島オフィスはどこに置いていましたか? ご自宅の近くですか?
水戸さん(以下、み) 実は、しばらく育休をとっていまして、途中でコロナ自粛がはじまったので、そのまま出社していないんです。
や おめでとうございます!
み ありがとうございます。で、この状況で広島への移住を本格的に考え始めていたら、オフィスはなかったかもしれないです。私自身フルリモートで働いていますし、今年は入社後いきなりフルリモートで働く人がたくさん出てきました。
や 企業誘致をしているとですね、オフィス不要論は耳をふさぎたい…。
み あっ、すみません。
や でも、現実はそうですよね。オフィス不要論はありますよね。コストカットを優先するか、社員が集うスペースを守るべきか、悩まれている経営者は多いとか。東京で高いオフィス賃料を払っているのに、春からずっと空っぽで、社長がたまに郵便物をチェックするためだけに出社している、という話も実際に聞きました。
み あるでしょうね。
広島オフィスがあるメリットは?
み 自宅で働ける環境はありますが、みんながみんな自宅が最も集中できるかといえば、そうではありません。オフィスでも働けるという選択肢はあったほうが良いと考えてます。実際今も出社しているメンバーもいますし。
や フォローしてくださった!
み あと、仕事以外でも雑談は大事だなと思います。同じ地域で暮らす仲間とローカルな話題で盛り上がれる、とかいいですよね。
や 本通りの広島アンデルセン本店がリニューアルオープンする!!とか?
み 知りませんでした。そうなんですか?
や そうなんです。ものすごくステキです。ぜひ行ってみてください。他県の方は、アンデルセンってパン屋でしょって言うけど、違うんですよね。おいしいパンはもちろん並んでいるけど、食からはじまる暮らしを発信するというか、文化を発信するというか、やっぱりお店に入った瞬間のあのいい匂いを含め、背筋がぴんと伸びる感じ、あの雰囲気は最高ですよね。
※取材当時,まだ広島アンデルセン本店はオープンしていませんでした。水戸さんだって,今ではもうすっかりご存じのはず!?
み そういう話題で盛り上がれるの、いいですよね。以前は広島オフィスには4人出社してましたが、実は全員別々のチームに所属しているんです。オフィスに出社してはいるけど仕事の話は別の地方の人とするという少し不思議な状態。それがコロナの影響で出社する人が1人になってからは接点が減ってしまったので、オンラインランチで雑談してます。「良いお店見つけました」、「安心して出社できるようになったらランチ行きましょう」みたいな。
そして、オフィスの話に戻ると、
や はい。戻りましょう。
み 拠点があることによって、人を採用しやすくなるなら、オフィスはあったほうがいいな、と思います。
や あっ、採用ですか。
み 採用ですね。
や 採用とオフィスは関係があるんですか?
み もともと広島オフィスを作ったのは採用目的でした。サイボウズに入社していきなりリモートで働き始めるよりは、他にも社員がいるオフィスで働き始めるほうが敷居が低いだろうと。
広島駅の近くのオフィスを借りたのも、市街地からも周辺地域からも通いやすいだろうということで決めました。コロナの混乱が終わったら、家での仕事とオフィスでの仕事を選べるようになると良いなと思っています。また他社の方達とエンジニア向けのイベントもしたいと思っています。
大都市特有のリスクから、転職したい2人の話になってきた
や 県内には情報系の学部はありますが、大都市の企業に就職する学生が多いそうです。エンジニアのスキルアップは、やはり首都圏が有利なんですかね。
み そうですね。企業の数も情報系のエンジニアが集まるコミュニティの数も大都市の方が多いです。特に10年以上前、自分が広島を離れたころは。でも、状況は変わってきています。
サイボウズでは、複数拠点にまたがるプロジェクトに広島から参加できます。
以前からフルリモートOKな企業はありましたが、コロナでリモートワークを経験した会社が増えたので、今後地方から第一線の仕事ができる会社は増えていくんじゃないでしょうか。
や そうなんですね。私は5、6年前に東京から広島にUターン移住したのですが、転職という選択肢しかありませんでした。当時の勤務先や転職先候補にリモートワークを提案しても、思うように受け入れてもらえませんでした。水戸さんみたいに、会社ごと移住できるなんて、夢のようです。
み 移住者の受け皿になりたい、というのはあります。サイボウズ広島オフィスも2人でスタートしましたが、2人増えて4人体制です。
や 受け皿、増えてほしいです。
み 他社も含め、世の中全体で増えてほしいですよね。東日本大震災が起きた当時は、東京で暮らしていましたが、大都市だからこそ発生するリスクを感じたんです。生活必需品が一瞬で店からなくなるとか、人がたくさん集まっていることによるリスク。
や 当時は、保育園に子どもを預けた方が、ひと晩かけて徒歩で帰宅するといった事態もありましたね。
み そうです。帰宅時間の歩道には人が溢れていました。あのとき、住むならやっぱり地方が良いなと思ったんです。もともと買い物をすごくするタイプではないし、人混みは苦手だし都会にいつづける理由はあまりないなと。それで、実家のある広島にも近いということで、愛媛の松山オフィスへの転勤を希望して、しばらく松山オフィスで勤務していました。
や 愛媛に移住するときはどんな気持ちだったんですか?
み いざ愛媛に行くと決まったとき、正直、心に引っかかったことがありまして…
や はい。
み もしも将来、何かのきっかけでサイボウズを離れることがあったら、転職先を求めて東京に戻ることになるかもしれないな、ということです。
や なるほど。大都市のリスクがわかっていても、目の前の生活やキャリアは大事ですよね。
み そうなんですよ。地方でも転職の選択肢が広がってほしいですね。
や 転職することでキャリアアップすることってありますからね。
み そうですそうです。
や あれ、でも、このトーク、なんだかサイボウズを辞めたい人&県庁を辞めたい人の話みたいになっちゃってません?
み あっ!フォローではないですけど、転職先が増えるのはサイボウズにとってもメリットがあると思うんですよね。選択肢が多いと人が集まりやすくなって採用の候補者も増えますし、社員の複業先も増えて社内だけではできない経験もできる。
や 考えが安易すぎるかもしれませんが、サイボウズに入社したら、住みたい場所でやりたい仕事ができるというイメージはありますよね。
2019年に、当課が企画した「広島県×イノベーターズセッション」という都内イベントで、貴社の青野慶久社長にご登壇いただきました。台本なしのフリートークがとても面白かったです。
さまざまな形の石によって頑丈な石垣ができるように、いろんな社員がいるほうが強い会社になるというメッセージが印象に残っています。すてきな会社だなと思いました。
ご協力いただいたのは、
サイボウズ株式会社 広島オフィス(2019年4月オープン) でした。
ありがとうございました!
社員の「移住したい!」という声がきっかけとなって,企業が地方移転・分散を検討するケースは着々と増えています。気になった方は,ぜひお問い合わせフォームからご相談ください!
この記事は、 広島県 商工労働局 県内投資促進課 が書きました。
広島県への移転・進出を検討する企業向けの
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参考その1
広島オフィスができた際の、水戸さんご自身によるレポートはこちらです。
広島にもオフィスができました
https://blog.cybozu.io/entry/2019/08/22/170000
参考その2
Nativ. media掲載記事がきっかけで、問い合わせが急増しています。
「会社ごと移住する」という新選択。5年間 家賃&通信費無償など充実の企業誘致制度
https://nativ.media/6961/