風情あふれる瀬戸内・歴史の町にVCがやってきた!
ベンチャーキャピタル(VC)のサムライインキュベートが広島県に新しい拠点を設立しました。
オフィスに選んだのは、なんと「たけはら町並み保存地区(広島県竹原市)」にある重要伝統的建造物です。
その昔、製塩業で栄えた商家が軒を連ねる風情あふれる町並みは、瀬戸内が誇る観光地の一つです。
近くにはニッカウヰスキーの創業者・日本のウイスキーの父と呼ばれる竹鶴政孝氏の生家で、現在もすばらしい日本酒を世に送り出している竹鶴酒造があります。
歴史を重んじる町の建物がオフィス用に提供されたことも驚きですし、ベンチャーキャピタルの拠点がビル群の中じゃないことにも驚きです。
引越の当日に行ってはいけない。
進出の計画を聞いたときから、ずっと興味があって、一度は入ってみたいな〜と思っていました。
だがしかし、別件に合わせて竹原市に出張でやってきたのが、まさかの引越当日。
別件を終えて、石畳の町並みをキョロキョロしながら歩いていたら、横をスーッと引越トラックが追い越していきました。
まさか、そんなタイミング…と思いながら目で追ったのですが、私と同じ目的地あたりに停車したではありませんか。
私が目的地に着いたころにはトラックの荷台から段ボール箱が次々と降ろされていました。
私、邪魔でしかないですよね…。
企業の進出サポートを担当しているというのに、ここぞというときに軍手にジーパンで行かなかったことを深く後悔しています。すみません。
荷物が運び込まれたのを確認し、門をくぐり、アプローチを進むと入口がありました。入口から奥に目をやると広いお庭が見えます。
庭の塀の向こうのお隣さんもまた重要伝統的建造物で、こちらは一般公開されています。
黒澤明の映画のような、この空間で、どんなお仕事が繰り広げられるのでしょうか。
世界的な香りがします。
瀬戸内の経済が大きく変わるスタートの日かも
引越トラックが去った後、「宅配で〜す」の声とともにやってきたのは、なんと暖簾でした。
私がお役に立てるとしたら記録係!
箱から出した新品の暖簾を門前に掲げた瞬間を撮影させていただくことぐらいです。
はい!「SAMURAI HOUSE -安芸竹原邸-」がオープンしました!
(まだ荷ほどきが終わっておらず、公式なオープンは11月19日ですが…)
広島県内へ進出を検討する企業の多くが、まず候補にするのは、人口や企業が集積する広島市中心部です。
サムライインキュベートは、竹原市にある伝統的な町を選びました。
SAMURAI HOUSEのプロジェクトを率いてきた山中さんにお話を伺うと、必ずしも会社のイメージにピッタリな物件があったからという理由だけではありません。(そりゃ、そうですよね)
竹原が国内外の空の玄関口となる広島空港から近いこと、瀬戸内の中心に位置して古くから独自の文化経済圏を築いてきたこと、瀬戸内に浮かぶ大崎上島への海の玄関口でもあることなどが、彼らのメリットでした。
実は、サムライインキュベートは、広島県のAI/IoT実証プラットフォーム「ひろしまサンドボックス」が主催するアクセラレーションプログラム「D-EGGS project」の事務局として、30プロジェクトの伴走支援をしていました。
山中さんが、広島県内の実証エリアをあちこち巡っているうち、地元のキーパーソンからこの物件を紹介してもらったのだそうです。
竹原の持つポテンシャルを見抜き、これから新しいイノベーションエコシステムづくりにチャレンジする!と世界に向けて言い切ったサムライインキュベートから、もう目が離せません。
武士っぽいビジュアルの拠点は、世界からも注目されること請け合いですし。
気になる「SAMURAI HOUSE -安芸竹原邸-」での活動方針は3つです。
広島商船や呉高専などと連携した高専発スタートアップ創出
NET-ZEROに向けたカーボンリサイクル事業創出
混雑に依存しないニューノーマルな観光イノベーションの創造
拠点開設から3か月も経たないうちに、さっそく「全国の高専生を対象にした起業家育成プログラム」を旗揚げしました。
武士に二言はないのですね。
ここで新しいビジネスが生まれ育っていくと想像したら、ワクワクしすぎて、鳥肌が立ちました。